isosteinのブログ

しがないフリーランス翻訳家。考え事をしていることが多いです。内容が比較的濃いのはnoteに出しています https://note.com/isostein

ドイツ人の英語

今のことは知らないけど、20年近く前の話。

 

ドイツに行くまでは、ドイツ人てみんな英語ぺらぺらなんだと思っていた。僕が日本で会ったドイツ人たちはみんな英語うまかったから。

 

最初のショックは、長期滞在の予定でドイツに着いた日、旧東ドイツの都市の空港から宿舎までタクシーを使ったときだった。タクシーの運転手に英語を喋れるかとドイツ語で訊いたら、笑いながら首をぶんぶん横に振って、喋れるわけないだろー、というそぶりをした。そして英語で数を数えだした。「ワン、ツー、mmm.... スリー?」その、スリーを自信なさそうに言われたときはのショックは今でも覚えている。日本人でも英語で10までは自信を持って言えると思う。それが、「 スリー?」とは.....「ドイツ語のできない自分はこの地でどう生きてったら良いのか.....」と青ざめた。

 

そこに住んでるとき、周りの人たちは「旧東ドイツだから(東ドイツでは、外国語として英語ではなくロシア語を教えていたから)みんな英語下手なんだよ」と言っていたが、その後、旧西ドイツの二つの小さな都市に住んで、西ドイツ人も英語結構下手だなあ、と思った。大都市ならもっと上手な人も多いだろうけど。

 

高い教育を受けたドイツ人や海外に出てくるドイツ人は英語が上手だ。ドイツと英語は1000年程前は同じ言語だったらしいから、方言のようなものと言って良いと思う。だから、少し練習すれば習得できるはずだ。だが、ドイツ国内に一生住む人は英語が必要になることはあまり無い。ドイツは大きな国なので、ドイツ語だけで大抵のことはできる。旅行しても観光地ならたいていドイツ語が通じる。


ちなみに当時、TOEIC の平均スコアはドイツが世界2位で日本が最下位だったと記憶してるが、あまりそれはあてにならない気がする。日本の平均点が低いのはおそらく、良い点の取れない人が少しでも良い点を取ろうとして何度も受けるのに対して、良い点を取った人はしばらくは受けないからじゃないか。ドイツでは英語の得意な人と不得意な人に完全に分かれているので、英語の得意な人しかTOEIC を受けないのだろう。